人の実生活では人と人とのコミュニケーションは大切です。しかし、最近の若者はこのコミュニケーションを苦手とする人が増えています。高齢者はコミュニケーションしたくともできない人が増えています。その結果、孤独死などが目立つようになっています。このままでは将来どのようになるか心配です。コミュニケーションに以下のタイプに分けられると思います。
(1) オンラインコミュニケーション
人と人の会話や、電話、コンピュータではリアルタイムのチャットなど、一方の発話に対してリアルタイム(一定時間以内で)返信の発話をする所謂会話です。実時間で応答するので間違ったことを答えてしまったり、言ってはまずいことを言うこともありますが、一方同じ言葉でも雰囲気やニュアンスによって厳しい言葉になったりやさしい言葉になったりするという特徴があります。
(2) オフラインコミュニケーション
直接的な会話ではなく、昔の手紙、電子メールなど相手がその場で情報を読んでるかどうかわからずに、いつ答えを返してくるかわからないコミュニケーションです。逆に、答えるにあたりじっくり考えて答えることができます。それだけに、ひとつひとつの言葉が重みを持ちます。
とっさの回答などが不得手なのでしょうか。知らない人と話をしたり大勢の前で話すのが苦手な人が増えているようです。高齢者は、逆にとっさに答えたりすることが慣れでできたりするはずですが、家族も少なくなると機会に恵まれなくなります。
このようなコミュニケーションに関してITの力で少しでも役にたちたいとおもいます。 そこで、次の2点の課題に取り組んでいます。
(1) 若年層のコミュニケーション力向上へのITによる寄与
(2) 高齢者層へのコミュニケーション機会増加へのITによる寄与
(1)に関しては楽しく、コミュニケーション力向上が必要です。そのため、若年層に親しみのある”携帯電話”、"ゲーム"、"対戦"をキーワードにこの課題への貢献をします。
携帯電話でゲームをする上でも実際に、直接会って、会話をしない限りは強くなれないようなゲームの仕組みを確立します。
(2)に関しては、機会を増やすことが大切ですが、高齢者にできることで”携帯電話”と”従来型ゲーム”をキーワードにこの課題への貢献をします。昔ながらのゲームでもなかなか入っていきにくいものです。そのための支援をある程度自動的にできる方式を確立します。
たとえば、高齢者向けとして麻雀を例に検討しよう。 麻雀は従来型ゲームであり、話をしながら思考は別にしているという、認知症予防の効果やコミュニケーションを行うということで高齢者には適度な楽しいとしては良いものです。牌は数千円で買えますし、こたつやマットがあればプレイ可能です。手軽で安くできるので良さそうですが、点数計算という壁が、ビギナーにはあります。これを手軽にできないものだろうか? => これを要求として明確にすると、 (1) 安くできること。雀荘用と個人用を別に考えるべきであろう。 (2) 点数計算ができない人にとっては間違いを訂正できない。だから精度が高くないとだめである。 90%というような精度ではだめで99% は必要であろう。 (3) 時間的には人が計算するのと損色ないことが望ましいが、30秒程度なら良いであろうか。 (4) 持ち歩きできないような機器ではだめで、持ち歩きが十分できるサイズに限る。よってバッテリで動作しなければならない。 簡単な例でも条件を明確にしていくと難しいものです。これはあくまでも例ですが、ひとつのことでもこのように深く追求してみましょう。そうすることによって、別の角度からみ見えてきて、とても有用な研究になる可能性があります。 |